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【応用情報】初心者向け!オブジェクトストレージを解説!

お茶ん太
お茶ん太

この記事では、オブジェクトストレージについて、初心者にも分かりやすく図解付きで丁寧に解説しています!

オブジェクトストレージ

  • そもそもストレージとはデータを長期間保存するための場所や装置。
  • オブジェクトストレージはオブジェクト単位でデータを保存するストレージ。オブジェクトとは「モノ」のことで動画やSNSなどの非構造化データを保存することができる。
  • データとメタデータをセットにして固有の識別子(ID)を付与し保存する。
  • オブジェクトストレージは大容量で拡張性が高いが、データの更新ができない。

ストレージとは

ストレージとはデータを長期間保存するための場所や装置で、パソコンに内蔵されているHDDや外付けで使うUSBメモリやクラウド上で使うGoogle Cloudがストレージの例ですね。

ストレージは保存したいデータや用途によって3つの種類に分類できます。ファイルストレージ、ブロックストレージ、オブジェクトストレージです。まずファイルストレージとブロックストレージを見てみましょう。

ファイルストレージ

ファイルストレージはファイル単位でデータを保存するストレージです。フォルダの階層構造でExcelやWordといったファイルを保存するイメージですね。

ブロックストレージ

ブロックストレージはブロックと呼ばれる小部屋にデータを保存するストレージです。ブロックストレージでは保存するデータもブロックに入るように小分けにされます。データを取り出すときは小分けにしたデータを元に戻します。

オブジェクトストレージ

オブジェクトストレージはオブジェクト単位でデータを保存するストレージです。オブジェクトとは「モノ」のことです。要するに、モノであればSNS、画像、動画など何でも保存するのがオブジェクトストレージということです。ちなみに、このような表形式で保存することができないデータを非構造化データと呼びます。非構造化データを保存するのに適したのがオブジェクトストレージですね。

オブジェクトストレージでは、データとメタデータをセットにして固有の識別子(ID)を付与し保存します。メタデータとはファイル名・ファイルサイズ・データの種類などのデータに関する情報です。

オブジェクトストレージはファイルストレージやブロックストレージのように「どのアドレスに保存しているか」という情報を持ちません。ファイルストレージであれば、フォルダの階層構造があり、どのフォルダにデータを保存しているかの情報を持ちますし、ブロックストレージであれば、どのブロックにデータを保存しているかの情報を持ちます。しかし、オブジェクトストレージはそういう情報がありません。また、オブジェクトストレージで保存する非構造化データには、データ同士で関係性を持ちません。そのため、容量を大きくしたい場合、割と何も考えずに、例えばサーバの台数を増やして容量を大きく、みたいなことができます。大容量で拡張性があるストレージと言うことですね

しかし、オブジェクトストレージにはデータの更新・上書き保存ができないというデメリットもあります。オブジェクトストレージで保存するオブジェクトは、1つの塊として扱います。一度オブジェクトストレージに保存したデータの一部だけを変更するということができないんですね。なので、データの更新をするときは新しくIDを作って保存します。そのため更新頻度が低いデータの方が適しています。

オブジェクトストレージの特徴

  1. 非構造化データを扱うことができる
  2. 大容量・拡張性が高い
  3. データの更新・上書きができない

応用情報技術者試験での出題例

令和6年度秋期問13

応用情報技術者
午前試験 
令和6年度秋期問13

データアクセス方式の一つであるオブジェクトストレージに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。

ア ストレージにファイルシステムを構成し,ファイル単位でデータにアクセスする。

イ ストレージの論理ボリュームを決まったサイズに分割し,その単位でデータにアクセスする。

ウ データとメタデータをセットにして保存し,階層構造にすることによってデータにアクセスする。

エ データとメタデータをセットにして保存し,固有の識別子でデータにアクセスする。

正解と解説

正解は”エ”

オブジェクトストレージは、データとメタデータをセットにして保存し、それに固有の識別子(ID)を付与します。メタデータは、データの種類や名前などのデータに関する情報です。

令和6年度春期問13

応用情報技術者
午前試験 
令和6年度春期問13

オブジェクトストレージの記述として,最も適切なものはどれか。

ア 更新頻度の少ない非構造型データの格納に適しており,大容量で拡張性のあるストレージ空間を仮想的に実現することができる。

イ 高速のストレージ専用ネットワークを介して,複数のサーバからストレージを共有することによって,高速にデータを格納することができる。

ウ サーバごとに割り当てられた専用ストレージであり,容量が不足したときにはストレージを追加することができる。

エ 複数のストレージを組み合わせることによって,仮想的な1台のストレージとして運用することができる。

正解と解説

正解は”ア”

オブジェクトストレージではデータの更新をするとき、新しいIDを付与して保存する必要があります。そのため、更新頻度が少ないデータの方が適しています。

また、オブジェクトストレージはSNSや動画などの非構造化データの保存が可能です。

更に、オブジェクトストレージで扱う非構造化データはデータ間で関係性を持ちません。よって、大容量で拡張性が高いストレージとすることが可能になります。