この記事ではネットワークの伝送時間の計算方法について解説します。
ネットワークの伝送時間
- 伝送時間=データ量÷回線速度
- 回線速度=データ量÷伝送時間
- データ量=伝送時間×回線速度
- 回線速度(実際)=回線速度(理論値)×伝送効率
単位の接頭語
- 1mビット=10⁻³ビット
- 1Mビット=10⁶ビット
- 1Gビット=10⁹ビット
Mbps
- 1Mbps=100Mビット/秒
応用情報ではネットワークの伝送時間に関する問題が出題されます。是非最後までご覧ください。
伝送時間の計算方法
ネットワークの伝送時間に関する問題は次の式で求めることが出来ます。
伝送時間はデータを伝送するのに掛かる時間、データ量は送ることが出来るデータの量、
回線速度は1秒間に伝送できるデータの量を表します。
伝送時間=データ量÷回線速度
回線速度=データ量÷伝送時間
データ量=伝送時間×回線速度
上の式は理論上の計算式です。実際の伝送ではケーブルが持つ100%の力を使える訳ではありません。
伝送効率
伝送効率とは、理論上の回線速度に対して実際に出せる速度の割合です。
伝送効率を考慮する場合、回線速度は次の式で表せます。
回線速度(実際)=回線速度(理論値)×伝送効率
例えば、理論上の回線速度が100Mビット/秒で伝送効率が70%の場合、
実際の回線速度=100Mビット/秒×0.7=70Mビット/秒となります。
単位の接頭語
単位には大きい桁や小さい桁を表すために接頭語を付けることが出来ます。
mmやkmのmやkは身近な接頭語ですね。
応用情報でよく出てくる接頭語を紹介します。
m | 1mビット=10⁻³ビット |
---|---|
M | 1Mビット=10⁶ビット |
G | 1Gビット=10⁹ビット |
Mbpsという単位
回線速度に使われる単位にMbpsというものがあり、1秒間に伝送できるデータ量(Mビット)を表します。
例えば、100Mビット/秒=100Mbpsとなります。
応用情報技術者試験での出題例
令和5年度秋期問31
応用情報技術者
午前試験 令和5年度秋期問31
100Mビット/秒のLANを使用し,1件のレコード長が1,000バイトの電文を1,000件連続して伝送するとき,伝送時間は何秒か。ここで,LANの伝送効率は50%とする。
ア 0.02 イ 0.08 ウ 0.16 エ 1.6
正解は”ウ”
伝送速度(実際)=100Mビット/秒×50%=50Mビット/秒
データ量=1,000バイト×1,000件=1,000,000バイト=8,000,000ビット
なので、
伝送時間=データ量÷伝送速度(実際)=8,000,000÷50,000,000=0.16秒です。
令和5年度春期問32
応用情報技術者
午前試験 令和5年度春期問32
100Mビット/秒のLANと1Gビット/秒のLANがある。ヘッダーを含めて1,250バイトのパケットをN個送付するときに,100Mビット/秒のLANの送信時間が1Gビット/秒のLANより9ミリ秒多く掛かった。Nは幾らか。ここで,いずれのLANにおいても,パケットの送信間隔(パケットの送信が完了してから次のパケットを送信開始するまでの時間)は1ミリ秒であり,パケット送信間隔も送信時間に含める。
ア 10 イ 80 ウ 100 エ 800
正解は”ウ”
100Mビット/秒のLANを使った時の送信時間を計算する
回線速度=100Mビット/秒、データ量=1,250×Nバイトなので、
送信時間=データ量÷回線速度
=1,250×Nバイト÷100Mビット/秒
=10,000×Nビット÷100,000,000ビット/秒
=N×10⁻⁴秒
1Gビット/秒のLANを使った時の送信時間を計算する
回線速度=1Gビット/秒、データ量=1,250×Nバイトなので、
送信時間=データ量÷回線速度
=1,250×Nバイト÷1Gビット/秒
=10,000×Nビット÷1,000,000,000ビット/秒
=N×10⁻⁵秒
100Mビット/秒のLANの方が1Gビット/秒のLANより9ミリ秒多く掛かっているので、
N×10⁻⁴秒-N×10⁻⁵秒=9ミリ秒
⇔10N×10⁻⁵秒-N×10⁻⁵秒=9×10⁻³秒
⇔9N×10⁻⁵秒=9×10⁻³秒
となり、N=100だと分かります。