この記事では、電気泳動型ディスプレイと有機ELディスプレイについて、初心者にも分かりやすく、図解付きで丁寧に解説しています!
電気泳動型ディスプレイ
- プラスやマイナスに帯電した着色粒子を、帯電した基盤を使って集め、表示させるディスプレイ
有機ELディスプレイ
- 電流を流すと発光する有機ELを使って表示するディスプレイ
電気泳動型電子ペーパー
電子ペーパーは、紙のような外観を持つディスプレイです。Kindleとかデジタル看板が電子ペーパーの例ですね。電子ペーパーを実現する仕組みに電気泳動方式があります。
電気泳動方式
電気泳動型電子ペーパーでは、プラスとマイナスに帯電した白色と黒色の粒子をオイルと一緒に入れたマイクロカプセルを使います。

このマイクロカプセルを基盤の上に乗せます。この時、基盤がプラスに帯電していたら、黒色粒子が下に、白色粒子が上に行くので、人間には白色に見えます。基盤がマイナスに帯電していたら、逆に黒色粒子が上に行くので、黒色に見えます。基盤の半分がプラス、他半分がマイナスに帯電していたら、白色粒子と黒色粒子が半々で上に行くので、グレーに見えます。

このマイクロカプセルにカラーフィルターを乗せてみましょう。赤色のフィルターを乗せてみます。基盤がプラスに帯電している場合、白色の粒子に赤色フィルターを乗せていることになるので、そのまま赤色に見えます。一方、基盤がマイナスに帯電している場合、黒色の粒子に赤色フィルターを乗せていることになるので、赤色が打ち消されて黒色に見えます。このように、基板の電荷を調整して粒子の割合を変えることで色を調整するんですね。

カラーフィルターには色の三原色を使います。そうすることで、全ての色を表現できるようになります。
有機ELディスプレイ
有機ELとは電気が流れると発光する物質です。有機ELを使ったディスプレイを有機ELディスプレイと言います。

応用情報技術者試験での出題例
令和5年度春期問12
応用情報技術者
午前試験 令和5年度春期問12
有機ELディスプレイの説明として,適切なものはどれか。
ア 電圧をかけて発光素子を発光させて表示する。
イ 電子ビームが発光体に衝突して生じる発光で表示する。
ウ 透過する光の量を制御することで表示する。
エ 放電によって発生した紫外線で,蛍光体を発光させて表示する。
正解は”ア”
有機ELディスプレイは電圧をかけると発光する素子を使って表示するディスプレイです。
令和4年度秋期問11
応用情報技術者
午前試験 令和4年度秋期問11
電気泳動型電子ペーパーの説明として、適切なものはどれか。
ア デバイスに印加した電圧によって、光の透過状態を変化させて表示する。
イ 電圧を印加した電極に、着色した帯電粒子を集めて表示する。
ウ 電圧をかけると発光する薄膜デバイスを用いて表示する。
エ 半導体デバイス上に作成した微小な鏡の向きを変えて、反射することによって表示する。
正解は”イ”
電気泳動型電子ペーパーは、プラスとかマイナスに帯電した電極を使って、着色した粒子を集めることで表示するディスプレイです。