転職

我が社でも辞めるかも?と思わせない転職理由の作り方

お茶ん太
お茶ん太

この記事では、新卒2年目で中堅IT企業から大IT企業に転職した私が、転職面接での転職理由の攻略法について解説します。

簡単に自己紹介

  • 25歳で化学系の大学院を卒業したが、研究職に進みたくなくて、従業員数約300人規模の中堅IT系企業に就職。
  • もっと給料が欲しい・市場価値を高めたいという理由から社会人2年目の時に転職活動を開始。ちょうど社会人3年目になるタイミングで従業員数約1000人規模の大IT系企業に転職。

転職理由・退職理由とはなにか

この記事で解説する転職理由・退職理由と志望理由をごっちゃにしてる人がいるので、軽く前提の認識合わせをしたいと思います。

転職理由と退職理由はほぼ同じ意味合いだと考えて大丈夫です。「なぜあなたが今の会社を辞めようと思ったのか?/辞めたのか?」これが転職理由・退職理由です。一方、志望理由は「なぜあなたが我が社に応募したのか?」です。

転職理由・退職理由
会社を辞めずに転職活動をしてる場合:転職しようと思った理由
会社を辞めて転職活動をしてる場合:前職を退職した理由

志望理由
我が社に応募した理由

この記事では一貫して転職理由という言葉を使いますが、退職理由だとしても考え方は同じです。志望理由はまた別の記事で解説します。

転職理由と志望理由は繋がっている

転職理由と志望理由は繋がっています。「ちゃんと評価してくれない」が転職理由であれば、正当に評価してくれる会社を選ぶべきですし、それを面接で伝えるべきです。

応募者:今の会社では成果を正当に評価する仕組みが整っておらず、モチベーションが上がらないため、転職を決意しました。

面接官:なる程、では、なぜ我が社へ応募したのですか?

応募者:上流工程でユーザと関わることができるからです。

面接官:(正当な評価はどこに行ったんだ???)

転職理由と志望理由が繋がっていないと、こんな感じで一貫性の無い回答になってしまいます。「今の会社では〇〇が出来ないから転職を決意した。御社では〇〇が実現出来る。だから御社を志望した。」これが、転職理由と志望理由の基本的な流れになるので覚えておきましょう

面接官が転職理由で知りたいことはなにか

転職理由で面接官が知りたいことは1つだけです。

あなたが我が社で長く働いてくれそうか

転職理由を考えるときに大切なことは「我が社ならその転職理由を解消出来るだろう」と思わせることです。逆に「我が社に来ても、同じ転職理由を抱いて辞めるだろう」と思われると終わりです。

応募者:残業時間が30時間を超え、ワークライフバランスを保てないため転職を決意しました

面接官:(我が社も繁忙期は残業時間が30時間を超える可能性があるんだよなぁ。こうなると、この人は辞めたくなる程の不満を抱くんだなぁ)

こうなってしまうと、合格する可能性は低くなってしまうでしょう。この人なら我が社に来ても安心だなと思わせるのが、転職理由を考える上でのゴールになります

受けが良い題材・悪い題材を知る

「この人なら我が社に来ても安心!」と思わせる転職理由、意外と難しいんですよね

退職理由の本音ランキング1位は人間関係のようですが、転職理由で人間関係を題材にするのは難しいです。「上司と仕事のやり方が合わずに転職を決意しました」と言われても、「我が社にも色々な人がいるし、合わない人と仕事が一緒になったら、また辞めるのか?」と思われる可能性があります。どんな会社にもあなたと合わない人はいるはず。少なくとも面接官がそう思っている可能性は高い。だからこそ、人間関係を題材に転職理由を語るのは辞めておいた方が良いです。

では、どういうのが転職理由の題材に適してるのでしょうか。個人的に1番やりやすいのは「仕事内容に関わること」、次が「年収・評価・教育に関わること」です。

  1. 仕事内容に関わること
  2. 年収・評価・教育に関わること

最初に言った通り、転職理由と志望理由は繋がっています。志望理由に繋げやすい転職理由の方が面接全体のストーリー構成を考えるのが楽です。そして、転職理由と志望理由を繋げやすいのが上の2つになります。

仕事内容に関わることの分かりやすい例を1つ。あなたが三次請けのエンジニアで元請けのエンジニアにキャリアアップするとして、

転職理由
現職では三次請けの立場で開発業務を担当し、技術を磨く経験は積めましたが、要件定義や顧客折衝といった上流工程に直接携わる機会は限られていました。自分の強みをより活かすためには、顧客に近い立場で課題把握から関わり、解決に導く経験が必要だと感じ、転職を決意しました。

志望理由
御社は元請けとして顧客と直接やり取りをされており、課題を正面から捉えてシステム提案を行っている点に魅力を感じました。私自身、これまで培ってきた開発スキルを土台にしつつ、要件定義や提案といった上流工程に挑戦し、顧客の課題解決に貢献したいと考えています。

転職理由と志望理由が繋がっており、違和感を感じませんね。この転職理由なら面接官も「我が社で頑張ってくれそうな人材だ」と評価してくれるでしょう。

仕事内容を転職理由にする場合、今の業務と転職先の業務を比較し、今の会社では実現できないことを理由にすれば、簡単に考えることが出来ます。

ただ、仕事内容を変える気は無いけど、今の会社が嫌で嫌で仕方ないから転職したいという人も多くいるでしょう。この場合、どうすれば良いか考えてみましょう。

例えば、評価が不当で嫌な場合、転職理由と志望理由はこんな感じになるのかなと思います。

転職理由
現職でも自分なりに成果を出してきましたが、評価制度が年功序列的で、成果や取り組み姿勢が十分に反映される環境ではありませんでした。私は成果が正当に評価される環境でこそ、さらに意欲的に挑戦し、成長できると感じています。そのため、より成果主義を重視されている会社で働きたいと考え、転職を決意しました。

志望理由
御社のHPを見て、評価制度は成果やプロセスを正当に評価する仕組みが整っていることを知りました。私は自分の成果が正当にフィードバックされる環境でこそ、高いモチベーションを持って仕事に取り組めると考えています。これまで培ってきた経験を活かし、御社で成果を出し、それが評価につながることで、さらに成長を加速させたいと考えています。

これも転職理由と志望理由が繋がっていて、説得力がありますね。意外と重要なのは、どうやって我が社の評価制度の良し悪しを判断したのか?です。と言うのも、普通は他の会社の評価制度なんて知りようもありません。何も見てないのに、「御社の評価制度は素晴らしい!」なんて言うと、「こいつ適当なことを言ってるな」とすぐに疑われてしまいます。企業のホームページなり転職エージェントなり、どこから情報を仕入れ、良いと判断したのかは伝えられるようにしましょう。

教育制度や年収も同じことが言えます。「なぜ我が社の教育制度や年収が良いと判断したのか?」この質問に答えられるようにしないと、一気に説得力が失われます。

ポジティブに言い換える

本音の転職理由なんてネガティブなのが普通だと思いますが、だからと言って、ネガティブなことばかり言う人は魅力的に映りません。

なので、不満をそのまま伝えるのではなく、不満を解消した姿を伝えるようにしましょう。次の例だと、「残業時間が多い」という不満を、「労働時間が適正だったら、モチベーションが保てるし、自己研鑽の時間も増やすことが出来て、結果的に良い成果を出せる」という不満を解消した姿に変換して伝えています。

不満を伝える転職理由
残業時間が多くて嫌になったため転職を決意しました。

不満を解消した姿を伝える転職理由
現職では平均残業時間が50時間と慢性的に残業が多く、自分の時間をほとんど持てない状況が続いています。業務自体にはやりがいを感じていましたが、残業が多く、集中力や効率が下がり、自分自身のスキルアップや学習の機会を確保することが難しくなっていました。より良い成果を出すためには、適切な働き方の中でモチベーションを維持し、自己研鑽の時間も確保することが必要だと考え、転職を決意しました。

現状を変える努力をしたことを伝える

会社を辞める前に、今の会社でどうにかならなかったのか?あなたは現状を変える努力をしましたか?面接官が気になることです。例えば、部署異動すれば転職なんてしなくても、あなたの望みは叶えられたのでは?と思われると、「この人は現状を変える努力が出来ない人なんだなぁ」と思われてしまいます。

今の会社で私が出来ることはしましたが、どうしても叶わなかったため転職を決意しました。こういう感じで伝えることで、「それなら転職を決意しても仕方ないね」と納得してもらえます。

まとめ

転職理由(辞める理由)と志望理由は繋がってます。これが転職理由を考えるときの大前提になります。まずはここの一貫性を意識しましょう。ここが一貫していると、面接官も「この人は我が社で長く働いてくれそうだ」と思ってくれるようになります。

ただ、転職理由を考える上で面接官に納得してもらいやすい題材とそうではない題材があることに注意する必要があります。なんでもかんでも正直な気持ちを伝えれば良いという訳ではありません。また、転職理由を伝えるときは、不満を伝えるのではなく、不満を解消した後の未来の姿をイメージさせるような言い方が大切です。

この記事で転職理由の組み立て方に学びがあればとても嬉しく思います。