●ライトバック方式とは
CPUがキャッシュメモリに書き込み処理を行った後に、主記憶装置に書き込み処理を行う方式。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和3年度春期
ライトバック方式の説明
ライトバック方式とは、キャッシュメモリに書き込み処理を行った後に、主記憶装置に書き込み処理を行う方式です。
ライトバック方式は、高速で書き込めるキャッシュメモリに書き込みを行った時点で、CPUは書き込み処理を完了とし、次の処理に移行します。
なので、書き込み処理は速く完了しますが、停電等でキャッシュメモリのデータが消えてしまうと、書き込み処理を行ったはずのデータが主記憶装置に保存されておらず、データをロストしてしまう可能性があります。
メリット :書き込み処理が速く完了する
デメリット:キャッシュメモリと主記憶装置の間でデータが一貫せず、データをロストしてしまう可能性がある
後(バック)から主記憶に書き込むから、ライトバック方式と覚えましょう!
同時に抑えておきたいライトスルー方式
ライトスルー方式とは、CPUがキャッシュメモリに書き込み処理を行う際、主記憶装置へも同時に書き込む方式です。
ライトスルー方式は、書き込み処理に時間が掛かる主記憶装置にも同時に書き込みを行います。なので、書き込み処理に時間が掛かりますが、キャッシュメモリと主記憶装置のデータは常に一致しており、データの一貫性を保つことが出来ます。
メリット :キャッシュメモリと主記憶装置の間でデータの一貫性を保てる
デメリット:書き込み処理に時間が掛かる
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和3年度春期問12
キャッシュメモリへの書込み動作には、ライトスルー方式とライトバック方式がある。それぞれの特徴のうち、適切なものはどれか。
ア ライトスルー方式では、データをキャッシュメモリにだけ書き込むので、高速に書込みができる。
イ ライトスルー方式では、データをキャッシュメモリと主記憶の両方に同時に書き込むので、主記憶の内容は常に最新である。
ウ ライトバック方式では、データをキャッシュメモリと主記憶の両方に同時に書き込むので、速度が遅い。
エ ライトバック方式では、読出し時にキャッシュミスが発生してキャッシュメモリの内容が追い出されるときに、主記憶に書き戻す必要が生じることはない。
正解は”イ”
ライトスルー方式はデータをキャッシュメモリと主記憶装置の両方に同時に書き込むため、主記憶の内容は常に最新です。よって、”イ”が正解です。