●集団思考とは
組織内で決め事をする際に、意見を一致させることを優先させ、異なる意見を無視して不合理な結論に至る事象。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和5年度春期
集団思考の説明
集団思考とは、組織内で決め事をする際に、意見を一致させることを優先させ、異なる意見を無視して不合理な結論に至る事象のことです。
集団思考が起こる原因に以下があります。
- メンバーの特性の偏り:同じ視点を持つメンバーが集まると異なる意見が出にくくなり、集団思考に陥りやすくなります。
- リーダーの圧力 :メンバーが圧を感じるようなリーダーがいる組織では、リーダーに反対する意見が出にくくなり、集団思考に陥りやすくなります。
- 意見の一致願望 :一度出た意見に対して、そのまま結論にしたいという願望が働いて集団思考に陥りやすくなります。
集団思考の例
チャレンジャー号爆発事件
チャンレンジャー号爆発事件とは、1986年1月28日にアメリカのスペースシャトル「チャレンジャー号」が打ち上げから73秒後に爆発して搭乗員7名が死亡した事件です。
この事件はNASA上層部が集団思考に陥ったため引き起こされたと言われています。
と言うのも、チャレンジャー号打ち上げ時、天候が悪く、また部品に欠陥があったことから技術者は打ち上げの中止を申し出ましたが、NASA上層部が正常に打ち上げは出来ると判断したことで事件が起こりました。
打ち上げを回避するべきという合理的な判断を放棄して、打ち上げの決行という不合理な判断を下した、まさしく集団思考が起こした事件でした。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和5年度春期問80
技術者倫理の遵守を妨げる要因の一つとして、集団思考というものがある。集団思考の説明として、適切なものはどれか。
ア 自分とは違った視点から事態を見ることができず、客観性に欠けること
イ 組織内の権威に無批判的に服従すること
ウ 正しいことが何かは知っているが、それを実行する勇気や決断力に欠けること
エ 強い連帯性をもつチームが自らへの批判的思考を欠いて、不合理な合意へと達すること
正解と解説
正解は”エ”
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