●バリューチェーンとは
製品の付加価値がどこで生み出されたのかを考える手法。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和3年度秋期/令和2年度秋期/平成30年度秋期
バリューチェーンの説明
バリューチェーンとは、製品を作り出す所から顧客に製品を届ける一連の業務のどこで製品の付加価値が生み出されたかを考える手法です。
業務は5つの主活動と4つの支援活動に分類されます。
製品の付加価値がどこの活動で生み出されたかを分析することによって、 より付加価値が高い製品を生み出す戦略が立てやすくなります。
5つの主活動
購買物流
原材料や部品の仕入れ等が購買物流に当たります。
購買物流によって価値を生み出す方法には下記のようなものがあります。
コスト削減
原材料や部品を安く仕入れることが出来れば、その分のコストを他の活動に回すことが出来て、製品の価値を高めることが出来ます。
品質向上
より品質が高い原材料や部品を製品に使用することで製品の価値を高めることが出来ます。
製造
製品の製造や品質管理が製造に当たります。
製造によって価値を生み出す方法には下記のようなものがあります。
生産効率の向上
生産効率を向上することで、製品に掛かるコストを下げることが出来るので、価格競争力を高めることが出来ます。
品質向上
製造プロセスを変えることによって、より高品質な製品の作成が可能になります。
出荷物流
倉庫や店舗への出荷や在庫管理が出荷物流に当たります。
出荷物流によって価値を生み出す方法には下記のようなものがあります。
在庫管理の最適化
適切な在庫管理を行うことで商品管理に必要なコストを削減することが出来ます。
効率的な配送
配送を効率的に行うことで配送に掛かるコストを削減することが出来ます。
販売・マーケティング
顧客ニーズの分析や広告活動や店舗やネット上での販売活動が販売・マーケティングに当たります。
販売・マーケティングによって価値を生み出す方法には下記のようなものがあります。
デジタルマーケティングの活用
InstagramやYoutube等のSNSを使ってマーケティング活動を行うことで、企業や製品の認知を広めることが出来ます。
販売チャネルの最適化
店舗やオンラインショップ等、顧客が製品を手に入れる方法の選択肢を増やすことで色々な特性の顧客から購入してもらえるようになります。
サービス
導入支援・保守等のアフターサービスやクレーム対応がサービスに当たります。
サービスによって価値を生み出す方法には下記のようなものがあります。
顧客サポート
顧客からの問い合わせに適切に対応することで顧客満足度を高めることが出来ます。
製品のアップグレード
製品の機能を向上させるようなアップグレードを行うことで価値を高めます。
4つの支援活動
- 全般管理 :総務や財務等、企業活動全般を支援する活動
- 人事・労務管理 :給与管理や福利厚生等、人事や労務に関する活動
- 技術開発 :新技術の設計や開発
- 調達 :サービスの調達や購入に必要な契約業務
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和3年度秋期問67
バリューチェーンの説明はどれか。
ア 企業活動を、五つの主活動と四つの支援活動に区分し、企業の競争優位の源泉を分析するフレームワーク
イ 企業の内部環境と外部環境を分析し、自社の強みと弱み、自社を取り巻く機会と脅威を整理し明確にする手法
ウ 財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の四つの視点から企業を分析し、戦略マップを策定するフレームワーク
エ 商品やサービスを、誰に、何を、どのように提供するかを分析し、事業領域を明確にする手法
正解は”ア”
企業活動を五つの主活動と四つの支援活動に分類して付加価値がどこで生み出されたのかを分析するのがバリューチェーンなので、”ア”が正解です。
応用情報技術者 午前試験
令和2年度秋期問67
企業の事業活動を機能ごとに主活動と支援活動に分け、企業が顧客に提供する製品やサービスの利益は、どの活動で生み出されているかを分析する手法はどれか。
ア 3C分析 イ SWOT分析
ウ バリューチェーン分析 エ ファイブフォース分析
正解は”ウ”
企業活動を主活動と支援活動に分類して付加価値がどの活動で生み出されたかを分析するのがバリューチェーンなので、”ウ”が正解です。
応用情報技術者 午前試験
平成30年度秋期問68
バリューチェーンによる分類はどれか。
エ 製品を、市場の魅力度と自社の強みの2軸を用いて、花形、金のなる木、問題児、負け犬の4象限のマトリックスに分類する。
正解は”イ”
バリューチェーンでは主活動を購買物流,製造,出荷物流,販売・マーケティング,サービスの五つに、支援活動を全般管理, 人事・労務管理, 技術開発, 調達の四つに分類します。よって、”イ”が正解です。