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【応用情報技術者】アーンドバリューマネジメント(EVM)とは何か

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●アーンドバリューマネジメント(EVM)とは
プロジェクトの作業をお金に換算して進捗状況やコストが適正かどうかを管理する手法。

出題された回(平成29年度春期以降)
令和4年度春期/令和2年度秋期/平成31年度春期/平成29年度秋期/
平成29年度春期

アーンドバリューマネジメント(EVM)の説明

EVMとは、プロジェクトの作業をお金に換算してスケジュールとコストを管理する方法です。

EVMでプロジェクト管理をする時、これら3つの指標を使います。

  • PV(Planned Value) プロジェクト開始当初に想定していた予算
  • EV(Earned Value)  実際に行った作業に対して割り振られていた予算
  • AC(Actual Value)  実際に行った作業に対して本当に使ったお金

これだけだと分かりにくいので例を出します。
例えば、7日間のロボット作りプロジェクトがあったとしましょう。

  • 最初の2日間は設計図を作る。 (予算 1万円×2日=2万円)
  • 次の3日間は部品を組み立てる。 (予算 2万円×3日=6万円)
  • 最後の2日間は試運転する。 (予算 3万円×2日=6万円) 

計画通りにプロジェクトが進んでいれば、4日目には部品の組み立てが3分の2終わっているはずです。しかし、実際は、4日目の終了時点で、部品の組み立てが半分しか終わっていません。しかも、この時点で7.5万円使っていました。


この時、PV、EV、ACの値はこうなります。

  • PV = 6万円 
    プロジェクト開始当初は4日目に部品組み立ての3分の2が終わっていると想定していたので、設計図作成予算2万円+(部品組み立て予算6万円×3分の2)=6万円。
  • EV = 5万円
    実際は部品組み立ての半分しか終わっていないので部品組み立ての予算はまだ半分しか使っていないはず、設計図作成予算2万円+(部品組み立て予算6万円×2分の1)=5万円。
  • AC = 7.5万円
    でも、実際は7.5万円も使ってしまっている。

PV、EV、ACの値が分かったので、プロジェクトの進捗状況とコストが適正か判断しましょう。まず、実際に使った金額(AC)は行った作業に対して割り振られていた予算(EV)の1.5倍ですね。なので、

このプロジェクトは想定していた1.5倍お金が掛かっているプロジェクトである。

ということが分かります。また、プロジェクト開始当初、4日目だったら予算6万円分の作業が終わっているだろう(PV)と思っていたのに、実際は予算5万円分の作業(EV)しか終わっていないですね。なので、

このプロジェクトの進捗は遅れている。

ということが分かります。
これがEVMを使ってプロジェクトのスケジュールとコストが適正か分析する方法です。

過去問

応用情報技術者 午前試験
令和4年度春期問51、平成31年度春期
問52、平成29年度春期問51

ある組織では、プロジェクトのスケジュールとコストの管理にアーンドバリューマネジメントを用いている。期間10日間のプロジェクトの、5日目の終了時点の状況は表のとおりである。この時点でのコスト効率が今後も続くとしたとき、完成時総コスト見積り(EAC)は何万円か。

ア 110 イ 120 ウ 135 エ 150

正解と解説

正解は”エ”
EV=40万円、AC=60万円なので、想定の予算より1.5倍実際にはコストが掛かっていることが分かります。なので、EAC=BAC×1.5となるため、150万円が正解になります。

応用情報技術者 午前試験
令和2年度秋期問52、平成29年度秋期
問52

プロジェクトマネジメントにおいてパフォーマンス測定に使用するEVMの管理対象の組みはどれか。

ア コスト、スケジュール   イ コスト、リスク
ウ スケジュール、品質    エ 品質、リスク 

正解と解説

正解は”ア”
EVMではコストとスケジュールを管理します。