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【基本情報】OSI基本参照モデルと通信機器について解説

お茶ん太
お茶ん太

この記事では、OSI基本参照モデルと通信機器について、初心者にも分かりやすく図解付きで丁寧に解説しています!

通信機器

  • リピータは物理層で電気信号を増幅する機器。
  • メディアコンバータは物理層で異なる伝送媒体同士を接続する際に信号を変換する機器。
  • ブリッジ・スイッチングハブ・レイヤ2スイッチはデータリンク層でMACアドレスを識別して宛先に送信する機器。
  • ルータ・レイヤ3スイッチはネットワーク層でIPアドレスを識別して宛先に送信する機器。
  • ゲートウェイはトランスポート層以上で異なるプロトコル間での通信を中継する機器。

OSI基本参照モデルとプロトコル

世界中には色々な国やメーカで作られたコンピュータがありますが、
ネットワークの世界ではこれらのコンピュータ同士が情報をやり取りしています。
赤の他人同士のコンピュータが正確に情報をやり取りするためにはルールが必要です。
このルールのことをプロトコルと言います。

プロトコルには様々な種類があり、メールでデータをやり取りする時に必要なプロトコルやコンピュータ同士の通信を確立するために必要なプロトコルなどがあります。
これらのプロトコルを7層に分けたものがOSI基本参照モデルです。
OSI基本参照モデルの第1層から第7層のプロトコルを組み合わせることで、コンピュータ同士の通信が可能になります。

こちらの記事でより詳しく解説しているので、OSI基本参照モデルについてもっと知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。

【基本情報】OSI基本参照モデルとTCP/IPを解説この記事ではOSI基本参照モデルについて解説しています。異なるメーカで製作されたコンピュータ同士がネットワークを通じてやり取りするには統一されたルールであるOSI基本参照モデルが必要となります。...

OSI基本参照モデルと通信機器

通信機器には電気信号を強くするだけの機器や異なるネットワーク間の通信を可能にする機器など様々な種類があり、OSI基本参照モデルのどの層の通信を可能にするかによって使用する機器が異なります。

第1層:物理層

リピータ

リピータは弱くなった電気信号を増幅して中継する装置です

メディアコンバータ

メディアコンバータは異なる伝送媒体同士を接続する際に信号を変換する装置です

第2層:データリンク層

ブリッジ・スイッチングハブ・レイヤ2スイッチ

ブリッジ・スイッチングハブ・レイヤ2スイッチは、流れてきたデータの宛先MACアドレスを確認して適切な機器へ送信します

コンピュータCと同じポートに接続されているコンピュータDにもデータが送られますが、コンピュータDは自分宛のデータではないということで破棄します。ブリッジを使うことで、データを送る必要がないポート(上図で言うコンピュータEとF)にはデータが送られないので流すデータを最小限に出来ます。

スイッチングハブはレイヤ2スイッチとも呼びます。スイッチングハブも宛先MACアドレスを確認して適切な機器へ流す役割は同じです。スイッチングハブとブリッジは厳密には異なりますが基本情報技術者試験でその違いを問われることはありません。

第3層:ネットワーク層

ルータ・レイヤ3スイッチ

ルータ・レイヤ3スイッチは、流れてきたデータの宛先IPアドレスを確認して適切なネットワークへ送信します

ルータは宛先IPアドレスを見て、どういう経路でデータを送れば良いのか判断します。レイヤ3スイッチも宛先IPアドレスからデータを転送する役割は同じです。ルータとレイヤ3スイッチは厳密には異なりますが、基本情報技術者試験でその違いについて問われることはありません。

第4層~第7層

ゲートウェイ

ゲートウェイはトランスポート層以上で異なるプロトコル間での通信を中継します

通常プロトコルが異なると適切に通信が出来ません。そのプロトコルを合わせてお互いに通信出来るようにするのがゲートウェイです。

基本情報、出るところだけまとめ!

通信機器

通信機器についてはこの表をしっかり覚えておきましょう!

基本情報技術者試験での出題例

令和6年度問8、平成30年度秋期問32

基本情報技術者
科目A 令和6年度問8、午前試験 平成30年度秋期問32

LAN間接続装置に関する記述のうち,適切なものはどれか。

ア ゲートウェイは,OSI基本参照モデルにおける第1~3層だけのプロトコルを変換する。

イ ブリッジは,IPアドレスを基にしてフレームを中継する。

ウ リピータは,同種のセグメント間で信号を増幅することによって伝送距離を延長する。

エ ルータは,MACアドレスを基にしてフレームを中継する。

正解と解説

正解は”ウ”

ア ゲートウェイは第4層以上でプロトコルを変換するので誤りです。
イ ブリッジは第2層でMACアドレスを基にして通信を中継するので誤りです。
エ ルータは第3層でIPアドレスを基にして通信を中継するので誤りです。

令和元年度秋期問32

基本情報技術者
午前試験 令和元年度秋期問32

メディアコンバータ,リピータハブ,レイヤ2スイッチ,レイヤ3スイッチのうち,レイヤ3スイッチだけがもつ機能はどれか。

ア データリンク層において,宛先アドレスに従って適切なLANポートにパケットを中継する機能

イ ネットワーク層において,宛先アドレスに従って適切なLANポートにパケットを中継する機能

ウ 物理層において,異なる伝送媒体を接続し,信号を相互に変換する機能

エ 物理層において,入力信号を全てのLANポートに対して中継する機能

正解と解説

正解は”イ”

平成31年度春期問31、平成29年度春期問31

基本情報技術者
午前試験 平成31年度春期問31、平成29年度春期問31

OSI基本参照モデルのトランスポート層以上が異なるLANシステム相互間でプロトコル変換を行う機器はどれか。

ア ゲートウェイ     イ ブリッジ
ウ リピータ       エ ルータ

正解と解説

正解は”ア”

平成29年度秋期問32

基本情報技術者
午前試験 平成29年度秋期問32

ネットワーク機器の一つであるスイッチングハブ(レイヤ2スイッチ)の機能として,適切なものはどれか。

ア LANポートに接続された端末に対して,lPアドレスの動的な割当てを行う。

イ 受信したパケットを,宛先MACアドレスが存在するLANポートだけに転送する。

ウ 受信したパケットを,全てのLANポートに転送(ブロードキャスト)する。

エ 受信したパケットを,ネットワーク層で分割(フラグメンテーション)する。

正解と解説

正解は”イ”