●GPUとは
グラフィックの描画処理を行う部品。
行列の演算能力が高いため、ディープラーニングに活用されている。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和3年度春期
GPUの説明
GPUとは、コンピュータにおいてグラフィックの描画処理を行う部品です。
最近では、このGPUがディープラーニングの学習に使われています。
なぜGPUがディープラーニングに使われているのか?
描画処理には、何十万という座標の計算を並列で、瞬時に行う能力が必要で、1つ1つの座標の計算は単純ですが、膨大な量の計算をしなくてはいけないという特徴があります。
コンピュータで演算を行っている部品と言えばCPUですが、CPUには通常4~64コアしか搭載されていません。これでは、何十万という計算を並列で、瞬時に行うのは難しいように感じます。
そこで登場するのがGPUです。GPUはCPUに比べて計算能力は劣りますが、600~5000コアと大量のコアを搭載しています。単純な計算を並列で、膨大な量行うのに向いているという訳です。
このGPUの特徴がディープラーニングの学習にも向いていました。
例えば、画像を投入した時に、それが犬の画像であると認識できるように学習させたいとします。この時、大量の画像データを用意し、犬と認識するのにどの要素が重要なのかを見極める必要があります。ディープラーニングでは、どの要素がどれだけ重要なのかを行列で表現しました。
描画処理でも何十万という座標を行列で計算します。
大量にある単純な計算を行列で計算するGPUがディープラーニングに向いているという訳です。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和3年度春期問10
ディープラーニングの学習にGPUを用いる利点として、適切なものはどれか。
ア 各プロセッサコアが独立して異なるプログラムを実行し、異なるデータを処理できる。
イ 汎用の行列演算ユニットを用いて、行列演算を高速に実行できる。
ウ 浮動小数点演算ユニットをコプロセッサとして用い、浮動小数点演算ができる。
エ 分岐予測を行い、パイプラインの利用効率を高めた処理を実行できる。
正解は”イ”
単純な行列演算を高速に実行できるGPUはディープラーニングの学習に向いています。よって、”イ”が正解です。