●インタビュー法とは
システム監査人が監査対象の関係者に直接、口頭で問い合わせて回答を入手する方法。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和元年度秋期
インタビュー法の説明
インタビュー法とは、システム監査におけるレビュー方法の1つで、システム監査人が監査対象の関係者に直接、口頭で問い合わせて回答を入手する方法です。
インタビュー法は口頭での質問で回答を収集しますが、事実を裏付ける客観的証拠が無いと監査証拠として不十分なので、証拠となり得る資料や複数人へのインタビューを行う必要があります。
インタビュー法のメリット
直接情報を収集できる
関係者から直接情報を収集できるため、実際の業務や問題点について信頼性の高い情報を得ることが出来ます。
また、会話形式で行うため、相手の反応に合わせて質問やアプローチを変えることが可能で、柔軟に情報収集することも出来ます。
問題点の深堀がしやすい
インタビューをする中で、特定のトピックについて詳細に質問をしたり、特に問題点を感じている関係者に対して重点的にインタビューをする等、工夫をすることで問題点の深堀りをすることが出来ます。
また、相手の表情や態度等、非言語コミュニケーションから読み解ける情報もあるので、文書だけでは伝わらない課題点が見つかることもあります。特にパワハラ等のコンプライアンスに関わるような課題点は、文書によるアンケートだと誰に見られるか分からなく答え辛い場合もあると思うので、直接インタビュー形式で情報を収集する方が有用になるかもしれません。
インタビュー法のデメリット
客観性を担保するのが難しい
インタビュー法で得られる情報は、どうしてもインタビューを受けている人の主観的な考えが反映されるために客観性を担保するのが難しくなります。
また、インタビューを受けている人が問題と感じている部分しか情報を収集出来ない可能性もあるため、漏れなく課題点を洗い出すことが難しくなる可能性もあります。
このことから、インタビュー法だけで情報収集するのではなく、他の監査方法と組み合わせて情報に客観性を持たせることが重要になります。
(参考)ウォークスルー法
応用情報技術者では、ウォークスルー法というレビュー法も出題されるので、インタビュー法と合わせて抑えておきましょう。
簡単に説明すると、データが生成されてから活用されるまでの一連の流れを書類上、もしくは、実際にシステムを動かすことで確認する手法です。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和元年秋期問59
システム監査基準(平成30年)における監査手続の実施に際して利用する技法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア インタビュー法とは,システム監査人が,直接,関係者に口頭で問い合わせ,回答を入手する技法をいう。
イ 現地調査法は,システム監査人が監査対象部門に直接赴いて,自ら観察・調査するものなので,当該部門の業務時間外に実施しなければならない。
ウ コンピュータ支援監査技法は,システム監査上使用頻度の高い機能に特化した,しかも非常に簡単な操作で利用できる専用ソフトウェアによらなければならない。
エ チェックリスト法とは,監査対象部門がチェックリストを作成及び利用して,監査対象部門の見解を取りまとめた結果をシステム監査人が点検する技法をいう。
正解は”ア”
インタビュー法はシステム監査人が監査対象の関係者に直接、口頭で問い合わせて回答を入手する方法なので”ア”が正解です。