●正味現在価値法とは
投資の収益性を示す指標の1つで、現在価値を算出することで投資の価値を測る方法。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和4年度秋期/平成31年度春期
正味現在価値法の説明
正味現在価値法とは、投資の収益性を示す指標の1つで、現在価値を算出することで投資の価値を測る方法です。
例えば、1年でお金を倍に出来る投資があるとします。現在の1万円は5年後に32万円になるので、5年後に32万円貰うのと今1万円貰うのは同等の価値であると言えます。もっと言えば、5年後に20万円貰うくらいなら、今1万円貰う方がお得であるということですね。
現在 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | 4年後 | 5年後 |
1万円 | 2万円 | 4万円 | 8万円 | 16万円 | 32万円 |
では、5年後の20万円は今の何円と同じ価値なのでしょうか?1年でお金が倍になるということは、年利が100%であるということです。なので、下の式から今の6250円と同等の価値であると分かります。
現在価値=20万円/(1+1)⁵=6250円
上の例では、年利と表現しましたが、正味現在価値法では一般的に割引率という言葉を使って現在価値を求めます。年利が5%の場合は割引率が0.05になります。
現在価値を求める公式
現在価値=未来の金額/(1+割引率)ⁿ
n:何年後なのかを表す
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和4年度秋期問64、平成31年度春期問64
投資効果を正味現在価値法で評価するとき,最も投資効果が大きい(又は損失が小さい)シナリオはどれか。ここで,期間は3年間,割引率は5%とし,各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。
ア A イ B ウ C エ 投資をしない
正解は”イ”
まず、AとBとCの比較を行います。
A、B、Cの3つともが3年間の投資で240万円を得ています。
正味現在価値法では、早いうちに得られるお金の方が価値があると考えます。なので、最も早くお金を得ることが出来るBが最も投資効率が良いと言えます。
次に、投資をしないパターンとBを比較します。
投資をしない時、投資額の220万円がそのまま残るので、現在価値は220万円です。
Bの現在価値を公式を使って求めると、222万円だと分かります。
現在価値=120万円/(1+0.05)+80万円/(1+0.05)²+40万円/(1+0.05)³=約222万円
よって、Bが答えなので”イ”となります。