●ワークサンプリング法とは
作業者や設備の稼働状態を複数回にわたって瞬間的に観測することで、何をどれくらいしているか把握する手法。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和元年度秋期
ワークサンプリング法の説明
ワークサンプリング法とは、作業者の作業内容や設備の稼働状態を複数回にわたって瞬間的に観測することで、作業者や設備の稼働状況を統計的に把握する手法です。
ワークサンプリング法の目的は、
「誰が何をどれくらいの時間しているかを把握することで無駄を見つけること」です。
ワークサンプリング法の手順
ワークサンプリング法は次のような手順で行います。
- 調査する対象を決める。
- 対象を観測する回数や時刻を決める。
⇒観測する時刻はランダムに決める。 - 2で決めた時刻に対象が何をしているのか観測する。
- 3で観測した作業内容の割合を調べて作業に無駄がないか調査する。
例えば、Aさんを100回観測した所、50回は部品を組立て、30回は塗装をして、20回は部品を探していたとします。すると、Aさんがしている作業の50%は組立で30%は塗装で20%は部品を探すという無駄な作業をしているんだなということが分かりますね。
(参考)連続観測法
ランダムに観測するワークサンプリング法とは別に、何をしているかをずっと観測する連続観測法というのもあります。
連続観測法の方がワークサンプリング法よりも確実に作業の割合を求めることが出来ますが、ずっと観測する必要があるのでコストが掛かります。
なので、工場全体の稼働状況や作業者全員の作業内容など、観測する対象が広い場合は、ワークサンプリング法の方が向いています。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和元年度秋期問75
ワークサンプリング法はどれか。
ア 観測回数・観測時刻を設定し、実地観測によって観測された要素作業数の比率などから、統計的理論に基づいて作業時間を見積もる。
イ 作業動作を基本動作にまで分解して、基本動作の時間標準テーブルから、構成される基本動作の時間を合計して作業時間を求める。
ウ 作業票や作業日報などから各作業の実績時間を集計し、作業ごとに平均して標準時間を求める。
エ 実際の作業動作そのものをストップウォッチで数回反復測定して、作業時間を調査する。
正解は”ア”