●データ管理者とデータベース管理者とは
データ管理者 :データベースの論理設計を行う人
データベース管理者:データベースの物理設計を行う人。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和4年度春期
データ管理者とデータベース管理者の説明
データベースの設計には論理設計と物理設計の2つがあり、データ管理者は論理設計、データベース管理者は物理設計を行います。
データベースの論理設計とは
論理設計では、データベースで実際に扱うデータの特性や関係性について設計を行います。
例えば、以下のようなことを設計します。
- 学生データ表で管理するべき情報はなにか?
- クラスデータ表の担任は何桁まで登録できるようにするか?
- 学生データ表とクラスデータ表を紐づける項目をどうするか?
(今回の例では「学年」と「クラス番号」で紐づいています)
論理設計では、システムで扱うデータを整理して、どのようなテーブルを準備すれば良いのか?やテーブル同士の関係性を決定します。
データベースの物理設計とは
物理設計では、データベースの容量や処理速度、セキュリティ対策など、データベース自体の要素について設計を行います。
論理設計と物理設計を行うタイミング
論理設計は、要件定義が終わって、必要なデータやテーブルが特定出来れば行うことが出来ます。
物理設計は論理設計が完了して、データベースに必要なデータやテーブルが決まった後に行います。箱の中身の構造を論理設計で決めてから、箱に対するアクセス権限やセキュリティの設計をしていくという訳です。
データ管理者とデータベース管理者
データ管理者はデータベースの論理設計を、データベース管理者はデータベースの物理設計を行います。
つまり、システムで扱うデータ項目やテーブルに関することはデータ管理者が担当し、障害発生時の対応や処理速度の向上などデータベース自体に関わることはデータベース管理者が担当します。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和4年度春期問57
基幹業務システムの構築及び運用において、データ管理者(DA)とデータベース管理者(DBA)を別々に任命した場合のDAの役割として、適切なものはどれか。
ア 業務データ量の増加傾向を把握し、ディスク装置の増設などを計画して実施する。
イ システム開発の設計工程では、主に論理データベース設計を行い、データ項目を管理して標準化する。
ウ システム開発のテスト工程では、主にパフォーマンスチューニングを担当する。
エ システム障害が発生した場合には、データの復旧や整合性のチェックなどを行う。
正解は”イ”
データ管理者は論理設計を行うので”イ”が正解です。