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【基本情報】回線利用率や伝送時間の求め方を解説!

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この記事では回線利用率伝送時間についてIT初心者にも分かりやすく解説します。

回線利用率

  • 回線利用率とは送受信可能なデータ量に対して実際に送受信しているデータ量。
  • 回線利用率(%)=実際に送受信しているデータ量÷送受信可能なデータ量×100

伝送時間

  • 伝送時間とはデータを送受信するのに必要な時間。
  • 伝送時間=実際に送受信しているデータ÷通信速度

基本情報では回線利用率と伝送時間に関する問題が出題されます。是非最後までご覧ください。

通信速度とは

通信速度は1秒間に送受信出来るデータ量のことです。また、Mbpsは通信速度を表す単位で、1秒間に送受信できるデータ量を表します。例えば、20Mbpsとあれば1秒間に20メガバイトのデータを送受信することが可能になります。

伝送効率

20Mbpsの通信速度を持つ回線であっても本当に1秒間に20Mバイトのデータ量を送受信できる訳ではありません。通信の途中でデータが欠損するので再送する場合があったり、正確に宛先にデータを届けるために必要な情報をデータに付随させる必要があるからです。

例えば通信速度が20Mbpsで伝送効率が70%の場合、実質送受信できる1秒間当たりのデータ量は20Mバイト×70%=14Mバイトになるので、実質の通信速度は14Mbpsです。

回線利用率

回線利用率とは送受信可能なデータ量に対して実際送受信しているデータ量のことです。例えば、通信速度が20Mbpsの回線に対して、1秒間に5Mバイトのデータしか送受信していなければ、回線利用率は25%になります。

回線速度に関する問題の解き方

回線利用率を算出する

回線利用率(%)=実際に送受信しているデータ量÷送受信可能なデータ量×100

送受信可能なデータ量に対して実際に送受信しているデータ量が回線利用率なので、上の式で回線利用率を求めることが出来ます。

仮に問題文で制御情報が与えられている場合は制御情報を追加した実際のデータ量を使う必要があります。また、伝送効率が与えられている場合は伝送効率を考慮した送受信可能なデータ量を使う必要があります。

伝送時間を算出する

伝送時間=実際に送受信しているデータ÷通信速度

伝送時間は送受信しているデータ量と通信速度から求めることが出来ます。

仮に問題文で伝送効率が与えられている場合は伝送効率を考慮した通信速度を使う必要があります。

基本情報技術者試験での出題例

令和元年度秋期問30

基本情報技術者
午前試験 
令和元年度秋期問30

10Mビット/秒の回線で接続された端末間で,平均1Mバイトのファイルを,10秒ごとに転送するときの回線利用率は何%か。ここで,ファイル転送時には,転送量の20%が制御情報として付加されるものとし,1Mビット=10⁶ビットとする。

ア 1.2
ウ 8.0

イ 6.4
エ 9.6

正解と解説

正解は”エ”

●実際に送受信しているデータ量
10秒毎に1Mバイトのファイルを転送し、ファイル転送時には転送量の20%の制御情報が付与されます。なので、1秒間で実際に送受信するデータ量は0.1Mバイトのファイルに0.02Mバイトの制御情報を付与した0.12Mバイトになります。1バイト=8ビットなので、0.12Mバイト=0.96Mビットになります。

●送受信可能なデータ量
10Mビット/秒の回線で接続されているので、1秒間で送受信可能なデータ量は10Mビットになります。

●回線利用率
回線利用率
=実際に送受信しているデータ量÷送受信可能なデータ量×100
=0.96Mビット÷10Mビット×100=9.6%となります。

サンプル問題問26、平成30年度秋期問31

基本情報技術者
科目A サンプル問題問26、午前試験
平成30年度秋期問31

1.5Mビット/秒の伝送路を用いて12Mバイトのデータを転送するために必要な伝送時間は何秒か。ここで,伝送路の伝送効率を50%とする。

ア 16
ウ 64

イ 32
エ 128

正解と解説

正解は”エ”

●実際に送受信しているデータ量
実際に送受信しているデータ量は12Mバイトです。1バイト=8ビットなので、12Mバイト=96Mビットになります。

●通信速度
伝送効率を考慮した実質の通信速度は1.5Mビット/秒×\(\frac{1}{2}\)=0.75Mビット/秒となります。

●伝送時間
伝送時間
=実際に送受信しているデータ量÷送受信可能なデータ量
=96Mビット÷0.75Mビット/秒=128秒となります。

平成30年度春期問31

基本情報技術者
午前試験 
平成30年度春期問31

10Mバイトのデータを100,000ビット/秒の回線を使って転送するとき,転送時間は何秒か。ここで,回線の伝送効率を50%とし,1Mバイト=10⁶バイトとする。

ア 200
ウ 800

イ 400
エ 1,600

正解と解説

正解は”エ”

●実際に送受信しているデータ量
実際に送受信しているデータ量は10Mバイトです。1バイト=8ビットなので、10Mバイト=80Mビットになります。

●通信速度
伝送効率を考慮した実質の通信速度は100,000ビット/秒×\(\frac{1}{2}\)=50,000Mビット/秒となります。

●伝送時間
伝送時間
=実際に送受信しているデータ量÷送受信可能なデータ量
=80Mビット÷50,000ビット/秒
=80,000,000ビット÷50,000ビット/秒=1,600秒となります

平成29年度秋期問31

基本情報技術者
午前試験 
平成29年度秋期問31

符号化速度が192kビット/秒の音声データ2.4Mバイトを,通信速度が128kビット/秒のネットワークを用いてダウンロードしながら途切れることなく再生するためには,再生開始前のデータのバッファリング時間として最低何秒間が必要か。

ア 50
ウ 150

イ 100
エ 250

正解と解説

正解は”ア”

音声データは2.4Mバイトです。1バイト=8ビットなので、2.4Mバイト=19.2Mビットになります。

●音声データを再生するのに必要な時間
符号化とはアナログデータをディジタルデータに変換することです。符号化速度が192kビット/秒ということは、1秒分の音声データを変換した時に192kビットのデータ量が必要であるということです。

今回19.2Mビットの音声データをディジタルデータに変換するので、音声データを再生するのに必要な時間は19.2Mビット÷192kビット/秒=19,200,000÷192,000=100秒です。

●音声データを通信するのに必要な時間
音声データを通信するのに必要な時間は19.2Mビット÷128kビット/秒=19,200,000÷128,000=150秒です。

音声データを再生するのに必要な時間が100秒で、通信するのに必要な時間が150秒なので、再生開始前にあらかじめ50秒分の音声データをダウンロードしておく必要があります。

平成29年度春期問30

基本情報技術者
午前試験 
平成29年度春期問30

本社と工場との間を専用線で接続してデータを伝送するシステムがある。このシステムでは2,000バイト/件の伝票データを2件ずつまとめ,それに400バイトのヘッダ情報を付加して送っている。伝票データは,1時間に平均100,000件発生している。回線速度を1Mビット/秒としたとき,回線利用率はおよそ何%か。

ア 6.1
ウ 49

イ 44
エ 53

正解と解説

正解は”ウ”

●実際に送受信しているデータ量
1時間に送信する伝票データは2,000バイト/件×100,000件=200,000,000バイトとなります。また、ヘッダ情報は伝票データ2件に対して1つ付加します。よってヘッダ情報は100,000件÷2×400バイト=20,000,000バイトとなります。

よって実際に送受信しているデータは伝票データとヘッダ情報の合計なので220,000,000バイトとなります。1バイト=8ビットなので、220,000,000バイト=1,760,000,000ビットになります。

●送受信可能なデータ量
1Mビット/秒の回線で接続されているので、1時間で送受信可能なデータ量は1Mビット×3,600秒=3,600,000,000ビットになります。

●回線利用率
回線利用率
=実際に送受信しているデータ量÷送受信可能なデータ量×100
=1,760,000,000ビット÷3,600,000,000ビット×100=48.9%となります。

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